泣くな赤鬼
知っていること
・原作が重松清
・主演が堤真一
・堤真一が元?野球部の監督
・柳楽優弥が昔の教え子で野球が上手い
・全然客が入っていない
※確認していないので上記の情報は間違っていることもありえます。
以下、見てない映画の感想です。
噂通り映画館がガラガラだった
ネットニュースでも見たのですが、集客にだいぶ苦戦しているようです。
自分が見に行った回でも、自分の他にもう1組のご夫婦だけ。
自分もネットニュースでその話題を見るまで見に行こうと思っていなかったのですが、見に行ってよかった。
こういう映画こそみんな見るべきだよ。
大号泣の名作。
演技力の高い2人
例えばジャニーズやアイドルを主演にしていたら、こんな集客に苦労することはなかったのかもしれない。
自分としてはアイドルを主演にするような手法も否定するわけではない。
専業役者では出せない輝きや、そのアイドルのファンとしての映画の楽しみというのもあるからだ。
実際、前田敦子が主演を務めた「モラトリアムたま子」(※これは見ました。本当にいい映画です。)は最高の邦画の一つであるし、あの映画は前田敦子でなければ成立しなかった名作だ。
それでもやはり、今作「泣くな赤鬼」で堤真一と柳楽優弥の演技を見ると「餅は餅屋」なんて言葉が頭に浮かぶ。
とにかく素晴らしい演技。
割と淡々とした映画で、ストーリーも大きなドラマはない。
過去、野球の道を諦めたことを悔やみながら、現在の”普通”の生活に大きな幸せを感じている柳楽優弥と、過去の栄光に捕らわれ、現在もずうっと苦悩している堤真一。
この2人の対比や、共通項、本当に見事だった。
音楽もあまり使わず、カメラも少し遠い位置からのカットが多かったのも監督の役者に対する信頼感の証で、この見事で大胆な演出は英断と言わざるを得ない。
原作と違うラスト
重松清の原作(※読んでいません。)とは結末が大きく違う。
原作では堤真一は少年野球のコーチとなるが、映画では堤真一がプロ野球を目指すという大胆なもの。
もちろん、トライアウトで不合格となるわけだけど、挑戦することの気持ちよさ、失敗することの気持ちよさというのを感じさせてくれた。
原作のラストで、十分いいものだったけど、この映画にはこのラストしかないだろう、という自然で感動的なラストだった。
トライアウトのベースランニングで堤真一が転んでしまうシーンなんかベタだけど泣いてしまったよ。
採点
95点
本当にいい映画を見た。
客が少ないことで、集中して見れたのはラッキーだった。これから客増えてくるんじゃないかな。